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映画『犬鳴村』ネタバレあらすじ・結末を解説!小説版との違いや感想も

2020年2月7日、ついに三吉彩花さん主演のホラー映画『犬鳴村』が公開されました。

同時期に『犬鳴村』小説版も発売されており、私はどちらも見ました。

今回は、映画『犬鳴村』のあらすじとともに、小説版との違いについても解説いたします。

※本記事はネタバレを含みますのでご注意ください。

映画『犬鳴村』キャスト

役の名前俳優名・女優名
森田奏三吉彩花
森田悠真坂東龍汰
西田明菜大谷凜香
成宮健司古川毅(SUPER★DRAGON)
籠井摩耶宮野陽名
遼太郎笹本旭
優子奥菜恵
圭祐須賀貴匡
森田康太海津陽
山野辺寺田農
森田晃高嶋政伸
森田綾乃高島礼子
中村隼人石橋蓮司

森田奏(もりた かえで)
・森田家の長女(25歳)
・大学病院に勤務する児童精神科の研修医
・昔から「この世ならざるもの」が見える体質

森田悠真(もりた ゆうま)
・森田家の長男(26歳)
・奏の兄
・高校受験に失敗し、父に見限られたことでグレてしまった
・母屋の裏手の離れで暮らしている
・明菜と付き合っている

西田明菜(にしだ あきな)
・悠真の彼女
・現場突撃系の動画投稿者

成宮健司(なりみや けんじ)
・犬鳴村のダム開発の過程を撮影していたハンチング帽をかぶった青年
・摩耶の恋人

籠井摩耶(かごい まや)
・犬鳴村の村長の娘

遼太郎(りょうたろう)
・奏がカウンセリングを担当する少年
・圭祐と優子の本当の子ではない

優子(ゆうこ)
・遼太郎の母親

圭祐(けいすけ)
・遼太郎の父親

森田康太(もりた こうた)
・森田家の次男で末っ子
・オカルト好きの小学生
・自由研究で犬鳴村について調べている

山野辺(やまのべ)
・森田家と関係の深い医師

森田晃(もりた あきら)
・森田家の家長
・常に尊大な態度を崩さない、威厳よりも傲慢さが勝る

森田綾乃(もりた あやの)
・森田晃の妻
・いつもどこか自信なさげ

中村隼人(なかむら はやと)
・奏の母方の祖父

中村耶英(なかむら やえ)
・奏の母方の祖母




映画『犬鳴村』ネタバレあらすじ・結末

悠真と明菜、犬鳴村での動画撮影

 
 
 
 
 
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西田明菜(大谷凜香)と森田悠真(坂東龍汰)は心霊スポットで動画撮影をするためにダム湖の近くにある公衆電話ボックスに来ていました。公衆電話が午前2時になると鳴る。それを取ると<犬鳴村>に行けるそうです。午前2時を少し過ぎると唐突に公衆電話が鳴ります。明菜が電話を取ります。電話からは何も聞こえませんが明菜は「今からそちらに向かいます!」と答えて電話を切ります。2人は旧犬鳴トンネルに向かいます。トンネルに到着して動画撮影をしながらトンネルの中を進んでいくと、トンネルを抜けた先に「コノ先、日本國憲法、通用セズ」の看板と廃墟と化した犬鳴村を発見します。明菜は「本当にあったんだ!」と興奮気味にはしゃぎます。建物の扉をノックしてまわりますが当然答えはありません。どれくらいたった後か、明菜がトイレに行きたいと言い、ある一軒の家の中に入っていきます。手持無沙汰になった悠真は少し離れたところにある廃屋を、動画の素材用に撮影しておこうと中に入っていきます。するとその中には木製の檻や鉄の輪がついた鎖、<筑紫電力>と書かれた割れた鏡などがありました。突然明菜の悲鳴が聞こえます。悠真が慌てて外に飛び出すと、後ろを気にしながら逃げてくる明菜の姿がありました。一直線にトンネルに向かう明菜にやっとのことで悠真は追いつきます。取り乱した明菜の体には血のにじんだ無数の傷がありました。悠真は明菜を落ち着かせてやっとの思いで犬鳴村を後にします。

この世ならざるものがみえる奏と遼太郎

精神科の研修医の森田奏(三吉彩花)は5歳の少年・遼太郎(笹本旭)のカウンセリングをしています。遼太郎は怖い夢をみるらしく、毎晩うなされていると遼太郎の母・優子(奥菜恵)が説明します。奏は母親には言いにくいこともあるだろうと、優子を別室に移動させます。奏が遼太郎に「何かママに聞かれたくないことでもあるの?」と尋ねると、遼太郎は「あっちのママ」に口止めをされていると言います。奏は自分の背後に何かの気配を感じます。カウンセリングが終わり遼太郎と優子をエレベーターの前まで見送ります。遼太郎がバイバイと手を振りますが、その視線は奏の後ろに向けられています。奏が遼太郎の視線をたどりおそるおそる振り返ると、血の気のない顔をした女が立っていました。女はすぐ消えましたが奏はしばらく動くことが出来ません。他の看護師に声をかけられて奏は我に返ります。するとポケットの中でスマートフォンが鳴ります。画面を確認すると「兄、悠真」の文字が表示されていました。

明菜の死

 
 
 
 
 
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悠真に実家に呼び出された奏は、昨日の晩犬鳴トンネルに行った後から明菜の様子がおかしいと相談されます。悠真が住んでいる離れに行くと、明菜は不気味な歌を歌いながら一心不乱に画用紙に奇妙な絵を描いています。何があったかを聞くと明菜は「犬をみた」と言います。突然明菜はトイレに行くと言い離れを出ていきます。奏は精神科医的見地から悠真にすぐに病院に連れて行った方がいいとアドバイスしますが、悠真は「お前昔から何かみえたりしてたんだろ?」と聞きます。奏は「やめてよ!」と怒ります。すると離れの窓を弟の森田康太(海津陽)が慌てた様子でたたいて「明菜ちゃんがおしっこしている」といいます。悠真は「トイレを覗いたのか」と聞くと、違う、明菜ちゃんの歌う声が聞こえたから様子を見るとおしっこを漏らしながら家の外に出て行ってしまったと言います。3人は慌て明菜の後を追いかけます。悠真が鉄塔の近くで明菜を探していると明菜から電話がかかってきて「いま、そっちに行くからね」の声とともに明菜が鉄塔から落ちてきます。明菜は頭を地面に強く打ち付けて死んでしまいます。

明菜の葬式

街唯一の葬儀場で明菜の葬儀が執り行われます。悠真は明菜の父親から胸倉をつかまれて責められていました。そこに森田家の家長・森田晃(高嶋政伸)が遅れてやってきます。明菜の父親は「お前のとこのボンクラと付き合うから明菜が死んでしまった」と怒鳴りつけながら掴みかかります。明菜の祖父が止めに入ります。明菜の父親はどこかへ連れていかれます。晃の手の甲は血管が浮き出るほど強く握られ小刻みに震えていました。明菜の葬儀はつつがなく済み、火葬場の待合ロビーで晃と山野辺(寺田農)が話しています。山野辺は森田家と先々代から付き合いのある医師です。山野辺は晃に「明菜の死因は鉄塔から落下したのに溺死」だったと伝えます。山野辺は何度も同じ死に方を見てきた、次は我々かもしれないと自虐的に言います。そこに奏がやってきます。山野辺は立ち去りますが、すれ違い際に「この犬殺しが」という山野辺の声が奏の頭の中に聞こえます。

オカルト好きな康太と健司の影

 
 
 
 
 
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葬儀場を後にした悠真は自宅の離れにいました。明菜のバックから母子手帳を見つけて悲しみに暮れていました。奏と康太も実家に帰ってきます。奏は康太に犬鳴村のことを聞きます。オカルト好きの康太は自由研究で犬鳴村について調べていました。康太は奏に自分で作ったジオラマをもとに犬鳴村について説明します。犬鳴トンネル、呪われた電話ボックス、赤い橋・・・と説明を聞いていると外から悠真の声が聞こえます。悠真は自分の仲間達を連れて車で再び犬鳴トンネルに向かおうとしていました。康太が自分の部屋を飛び出していきます。一人部屋に取り残された奏は背中に嫌な気配を感じます。そこにはハンチング帽を被った若い男性が立っていました。とっさに振り返りますがそこには既にその姿はありませんでした。

悠真、再び犬鳴トンネルへ

悠真は4人の仲間とともに犬鳴トンネルに到着します。しかし、犬鳴トンネルの入り口は以前には無かった大きなブロックで閉じられていました。仲間たちは止めますが悠真はブロックの上にあるわずかな隙間からトンネルに入っていきます。あきれた仲間たちはその場を去りますがあとから康太が犬鳴トンネルの入り口にやってきます。康太は車の中に隠れてついてきてしまったのです。康太はブロックを登り兄・悠真を呼びます。悠真は驚いた様子で絶対にトンネルの中に入ってくるなと康太を注意します。しかし康太はトンネルの中に落ちてしまします。すると悠真と康太は古めかしいかっこをした老若男女にずらりとかこまれます。彼らは明菜が歌っていた歌を歌っていました。そして重なり合うようにして悠真と康太を呑み込んでしまいます。




遼太郎の秘密

 
 
 
 
 
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奏はカウンセリングルームの前でため息をついていました。見つめる先には遼太郎とその母・優子がいました。奏は遼太郎の父・圭祐(須賀貴匡)に呼ばれ、遼太郎が私たちの本当の子ではないことを告げられます。5年前優子は死産し、圭祐はそれを本人に隠したまま養子縁組を組みました。ちょうど同じとき院内で出産後に亡くなった身寄りの無い女性の子、それが遼太郎だと言います。奏は圭祐から口止めをされますが、その時奏の頭の中にフラッシュバックが起こります。「ないしょなの」「ママ、かなしくなっちゃうから」「あっちのママ」。奏は待合スペースにいる遼太郎と優子のもとに向かいます。遼太郎の後ろには以前にも見た血の気の無い女が立っていました。遼太郎が奏に「ママ、こわくないよ?」と言います。女は奏のことをじっと見つめています。奏は「やめて!」と大きな声を上げます。我に返ると女は姿を消していました。

悠真、康太の捜索、綾乃の異変

奏は父・晃、母・綾乃(高島礼子)、悠真の仲間と警察官とともに犬鳴トンネルの前に来ていました。悠真と康太が行方不明になったためです。綾乃は取り乱していて、トンネルのブロックを登ろうとしますが晃や警察に止められます。綾乃は警察官を蹴り飛ばし、晃の腕に噛みつきます。晃が綾乃を引き離します。晃の腕からは血がにじんでいました。普段気弱な綾乃とは全く違った姿です。綾乃は我に返って晃をに近寄りますが晃は拒絶し突き飛ばします。尻もちをついた綾乃を奏は支えます。綾乃は口の周りについた血を犬のようにぬぐいます。トンネルの捜査は警察に任せて奏たちはその場を後にします。

山野辺の死

奏は遼太郎がパニック発作を起こしたと病院から呼び出されます。遼太郎の容態はすでに落ち着いていました。すると時を同じくして山野辺が危篤状態で病院に運び込まれたことを伝えられます。どうやら自宅で溺れたそうです。奏は遼太郎の病室へ向かい、遼太郎の両親と交代で遼太郎を見ます。遼太郎は安らかに眠っている顔を見てほっとした奏は急に疲れが出て少し目を閉じてそのまま寝てしまいます。奏が目を覚ますとベッドに遼太郎の姿がありません。慌てて探すと、遼太郎は山野辺の病室の前で立っていました。すると病室の中からあの不気味な歌が聞こえてきます。恐る恐る病室に入ると山野辺がベッドで寝ていました。山野辺は奏に「水が来る、逃げろ。水が来る、逃げろ」と繰り返し言います。奏は年齢や性別様々な影のようなものに囲まれます。急いで病室を出て、遼太郎の手を引いて逃げます。後ろから沢山の人の影のようなものが追いかけてきます。とっさに病室に逃げ込みますが逃げ場がないので奏は遼太郎を抱きかかえてうずくまります。影が奏に折り重なります。そこで奏は目を覚ましました。病院のベットの上で遼太郎も奏の腕にしがみついて寝ています。するとベッドの足元が膨らみ血の気の無い山野辺が迫ってきて「お前ら犬殺しの血のせいだ!」と手を伸ばしてきます。ノックの音が聞こえて奏は目を覚まします。返事を待たずに看護師が入ってきてたった今山野辺が死んだことを伝えられます。

奏、自分の出自を調べる

実家に帰り奏は父に何が起こっているのか、うちの血筋とは何なのかを聞きますが晃は答えてくれません。奏は母方の祖父・中村隼人(石橋蓮司)のもとを訪れます。そこで祖母・耶英が不思議な力を持っていたこと、家の前に捨てられていた赤ん坊だったこと、おそらく犬鳴村を出た身寄りの無い人が置いて行ったことを知りました。その時代では珍しいことではなかったそうです。奏は隼人に犬鳴村の場所を聞きますが犬鳴村は現在ダムの底に沈んでいると告げられます。

過去の犬鳴村での出来事

 
 
 
 
 
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奏は犬鳴村が沈んでいるというダムに訪れました。ふいに背後に気配を感じ振り返るとそこにはハンチング帽をかぶった青年・成宮健司(古川毅)が立っていました。奏が健司に犬鳴村で何があったか尋ねると君に見せたいものがあると、青年は奏を郷土資料館に連れていきます。そこで青年は犬鳴村と書かれたフィルムを取り出し映像を奏にみせます。そこにはかつての犬鳴村が映っていました。山犬をさばいて生活する住人は犬殺しと呼ばれ誰も近づこうとしませんでした。そんな彼らを手助けする者たちが現れます。スーツや作業着を着たその者たちは村人達と友好な関係を結んでいるように見えました。そして映像はハンチング帽をかぶった健司を映し出します。次に男たちが「コノ先、日本國憲法、通用セズ」の看板を打ち立てる男たちが映し出されます。彼らが村人に近づいたのには理由がありました。彼らは電力会社の回し者で、この場所にダムを造るために村人を力でねじ伏せていきます。彼らの代表者の顔が映し出されます。そこには曽祖父の森田源次郎の顔が映っていました。スクリーンの中では暴虐の限りが尽くされていました。奏はもうやめてと健司に懇願しますが健司は映像を止めません。奏は部屋を飛び出していきます。健司は一人部屋で「摩耶・・」と恋人の名前をつぶやいて涙を流します。




犬鳴村へ行く方法

奏は車で実家に帰ってきます。実家の壁には<呪われた一家><汚れた血><犬殺し>などの落書きがならんでおり家の前にはごみが散乱していました。家の中に入るとうつむいて座る父晃の姿がありました。浴室からあの不気味な歌が聞こえます。浴室にいくと四つん這いで床に散乱した食べ物をむさぼり食べる母・綾乃の姿がありました。唸り声をあげる綾乃を晃はひっしに抱き寄せます。その光景に耐えられなくなった奏は2階の康太の部屋に逃げます。そこで奏は悠真と明菜が撮影した映像が入ったSDカードを発見します。そこにはダム湖のそばの公衆電話をとる明菜の姿が映っていました。そこで奏は犬鳴村へ行く方法を知ります。

奏、犬鳴村へ悠真と康太を助けに行く

奏はダム湖の公衆電話まで来ていました。午前2時過ぎ、ベルの音が鳴り電話をとります。受話器からは悠真と康太の助けを求める声が聞こえた来ました。奏は「待ってて」と言い受話器を置きます。犬鳴トンネルにむかうとトンネルの入り口にあった巨大なブロックはすべて消え失せてぽっかりと入り口が開いていました。意を決してトンネルに入っていこうとすると健司が現れます。健司は「君に託したいものがある」といい先にトンネルの中に入っていきます。奏もついていきます。トンネルを抜けると荒れ果てた犬鳴村に到着します。あたりには村人の死体が転がっています。犬鳴村はもうすぐダムの底に沈むそうです。健司と奏は一段高い所に立っている小屋の中に入っていきます。そこには悠真と康太が木の檻の中にとらわれていました。健司に促されて奏は小屋の2階に上がります。そこには生まれたばかりでへその尾がつながった赤ん坊と健司の恋人・籠井摩耶(宮野陽名)がいました。そばでは野犬が寝ています。健司は摩耶と赤ん坊についているへその尾を噛み切り赤ん坊を取り上げると「この子を連れていけ」と奏に託します。「この村の血を絶やさないでくれ」と。奏は赤ん坊を抱え、悠真と康太を助け出して小屋を逃げ出します。あたりには野犬の遠吠えががこだまします。一行がトンネルに差し掛かったところで小学生の康太が止まってしまいます。するとトンネルの奥から獰猛な犬無ような唸り声をあげる摩耶と犬鳴村の呪いで命を落とした者たちの影が迫ってきていました。健司が必死に摩耶を止めようとしています。あまりの恐ろしさに、奏がもう駄目だ諦めかけたとき、悠真が飛び出して摩耶を押さえつけます。奏と康太はそのすきにトンネルを抜け出します。

健司と摩耶の子供を救出

奏と康太は力なく山を下っていき、一軒の家の前で倒れます。少年の隼人が出てきます。隼人「とうちゃん!大変だ!赤ん坊がいる!赤ん坊が!」。奏と康太は祖父の隼人に揺り起こされます。さっき見た家はずいぶん古くなっていていました。

奏の先祖

 
 
 
 
 
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奏と康太は病院のベットの上にいました。康太は夢の中で化け物に襲われる夢を見たと言います。奏は「あれは化け物じゃない、摩耶さん」「あのひとがいなかったら私たちは生まれていなかったかもしれない」と言います。

悠真の死

数日後、奏は警察病院の遺体解剖室にいました。そこにあるのは青ざめた顔をした兄・悠真でした。悠真の顔を確認した奏は悠真の遺体の下半身、シートがかかっている部分が不自然に膨らんでいることに気づきます。検視官たちの静止を振り切り、シートをはがすとそこには2つの遺体がしがみついていました。それは健司と摩耶でした。

健司、摩耶をお墓へ

奏は母方の祖父隼人のもとを訪れていました。祖母、耶英のお墓に健司と摩耶を入れてもらうためです。お墓に健司と摩耶の位牌を置いて線香をあげます。お墓を去るときふと後ろを振り返るとこちらを見てほほ笑む健司、摩耶、耶英の姿がありました。

【結末】犬鳴村の末裔として生きていく

奏の勤務する病院で、母・綾乃の乗った車いすを押して散歩する父・晃の姿があります。とても穏やかな時間を過ごしているように見えます。(遼太郎の母・優子)「本当に森田先生のおかげです」。奏に頭を下げる遼太郎の母・優子と父・圭祐の姿がありました。遼太郎のカウンセリングが終わったのです。奏は遼太郎と目線を合わせて「またね」と言います。遼太郎が奏の耳元で「おともだちによろしくって、ママが」と言います。奏は<遼太郎の本当の母親はシングルマザーで頼れる身内もいなかった<犬鳴村>からでた身寄りの無い人たちがいたらしいということを思い出します。遼太郎と別れを告げた奏は歩いていきます。その姿を遼太郎が振り返って見つめます。その瞳が巨大化して犬の唸り声のようなものが聞こえます。そして去っていく奏の瞳も巨大化し口からは犬のキバのようなものが覗いていたのでした。




映画『犬鳴村』小説版との違い【ネタバレ】

『犬鳴村』の小説版にはあったけど、映画には設定をご紹介します。

おそらく時間などの都合で、映画では描ききれなかったのだと思います。

これらを知っていると映画をより楽しめると思います。

小説と映画の違い①悠真

高校受験に失敗したことで父・晃から見限られその反動でグレてしまいます。現在は世間の目から隠れるように母屋の裏の離れで暮らしています。無職、いわゆるニートです。

小説と映画の違い②晃

映画では母・綾乃に対してとても冷たい人物として描かれていますが、元々は人の上に立つような性格ではなく、研究職に憧れていました。2人が結婚した理由は晃の一目惚れです。晃は綾乃を深く愛していました。父親に結婚を猛反対されますが、父親が畳の上で溺死したことで反対するものがいなくなり2人は籍を入れます。悠真の子育てに失敗したことにより(他にも理由はあるかもしれませんが)現在のような厳しい性格になります。物語の最後、病院の庭を綾乃の車いすを押しながら散歩をする晃の姿があります。森田家は映画での一件以来凋落しますが、晃は憑き物が落ちたように穏やかになります。

小説と映画の違い③綾乃

映画での一件依頼、綾乃は赤ん坊のような状態になってしまい、奏が勤める病院に入院しています。言葉も話せないし一人でトイレにも行けません。誰かが世話をしないと生きていけませんが、その世話をしているのは晃です。晃のかいがいしいお世話のおかげで、人を判別できる程度には回復します。

小説と映画の違い④明菜

映画では今どきの若者のYouTuberのように描かれていますが、明菜が動画配信を始めたきっかけは名家出身の悠真に釣り合うような女性になるためです。そのために沢山努力をしていましたし、明るく性格もいいので、森田家(晃以外)からの好感度も高かったようです。

小説と映画の違い⑤山野辺

昔から森田家が懇意にしている医者です。山野辺の父は犬鳴村のダム開発に深くかかわっていました。山野辺自身も犬鳴村に何度も出入りしていました。山野辺の父は奏が勤務する病院の初代院長でした。本来であれば山野辺が院長を継ぐはずですが、面倒だと断っています。ちなみに奏が今の病院に勤務できるよう口利きをしたのは山野辺です。

小説と映画の違い⑥健司

健司は犬鳴村のダム開発を記録するために雇われたカメラマンでした。その犬鳴村の様子をビデオで撮影する過程で摩耶に惚れて2人は愛を深めます。健司自身はダム開発をするために村人を虐殺することを知りませんでした。虐殺の様子を撮影していたのは逆らえば摩耶を殺すと森田源次郎(奏の曽祖父)から脅されたためでした。最終的には健司も暴力に晒され、森田源次郎を失脚させる証拠となるフィルムを持って命からがら村から逃げ出し、それを郷土資料館に隠したところで亡くなります。

小説と映画の違い⑦摩耶

犬鳴村村長の娘で、フルネームを籠井摩耶といいます。将来は健司と結婚して村を出て街で暮らすことを夢見ていました。健司のおかげで命だけは助けてもらいますが、凌辱の限りを尽くされます。




映画『犬鳴村』感想

映画「犬鳴村」の感想ですが、結論からいうとそこまで怖くは無かったです。

物語の序盤、鉄塔から明菜が落ちてくるシーンはとても怖くて、このあとどうなるんだと期待が高まりましたが、それ以降なかなか怖いシーンはありませんでした。

理由としては、「表現規制の問題」と「村人の亡霊CGのがイマイチ」だったという点でしょうか。

「表現規制の問題」についてですが、物語の核である過去の犬鳴村で行われた残酷な出来事が映画ではかなり抑えめに表現されていました。

小説版では、電力会社の人間によって村人が無理やり犬に犯されたり、食い荒らされたりと、かなり残虐な描写がありましたが映画では全てカットされていました。

そういった部分を映画で表現してしまうとR15、R18になってしまうのでしょうがないかなとも思いますが、犬鳴村が最強の呪いにいたる説得力が少し薄いかなと思いました。

あと終盤犬鳴村で村人の死肉を食い漁る犬が出てきますが、その犬の顔がしっかりしつけをされたとても賢そうな犬(おそらくシェパード?)だったところも怖さを削がれました。

普通に可愛かったですが、野犬ではないのか…。

「村人の亡霊のCGがイマイチ」については、物語の至るところで不気味なわらべ歌を歌いながら犬鳴村の亡霊の影が出てきます。

その影たちが、予算の都合なのでしょうか、とても粗くて画面から浮いているように見えました。

本来なら震え上がるシーンかと思いますが、私は逆に「これはあくまで映画なんだな」と現実に引き戻されてしまいました。

以上の点から、ホラー映画としては少し肩透かしを食らいましたが、物語としては良くまとまっており、結末もハッピーエンド寄りなので、ホラーが苦手な人でも観られる映画かなと思いました。

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